岩崎書店のブログ

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おもちゃ紹介動画で人気の親子ユーチューバーが、いま専業化した理由

 

親子ユーチューバーまえちゃんねるまえちゃんねる 終了画面

 

Google日本法人は、子ども向けのYouTube視聴用アプリ「YouTube KIDS」を5月31日に公開しました。コアターゲットは2~10歳。子どもにも使いやすい設計、アルゴリズムでフィルタリングされた動画、視聴時間を制限するタイマー機能など、子どもが安心・安全に視聴できるしくみとなっています。

子どもとその家族のさらなる利用拡大が見込まれるYouTube。一般の新規参入が爆発的に増える一方で、大手出版社や映画会社などもコンテンツ制作に本格参入し、活用実績も増えています。そんな中、登録者数を着実に増やしたユーチューバーがいます。

 

◆親子ユーチューバー「まえちゃんねる」

小学生に人気の親子ユーチューバー「まえちゃんねる」をご存知でしょうか。パパの前原さん(40歳)と息子のえいしんくん(小学3年生)が登場するYouTubeのチャンネルです。

親子のほのぼのとした【おもちゃ紹介】や【ゲーム実況】の動画が子どもファンの心をつかみ、チャンネル登録者数は約13万人、動画再生回数は1億8200万回超とYouTube上で大人気を博しています。

影響力を持つ親子ユーチューバーとして、マネージメントプロダクションのUUUMに所属し、企業からのオファーやイベントにもひっぱりだこのお二人ですが、この5月、前原さんが一大決心の末、会社勤めを辞め、ユーチューバーに専念することにしたとのこと。

世間でユーチューバーの存在感が益々大きくなると同時に、新規参入者も爆発的に増え、ユーチューバー戦国時代とも言われている今、専業ユーチューバーへの転向を決意したのでなぜしょうか?

動画投稿をはじめたきっかけから、人気を獲得するまでの経緯、毎日新しい動画を更新する理由、そして気になる今後の展開について、お話を伺いました。

親子ユーチューバーまえちゃんねる

まえちゃんねるの前原さん親子。所属するUUUM株式会社にて

◆動画投稿のきっかけは遠方の親戚へのお礼

前原さんがYouTubeへの投稿を始めたのは2010年のこと。当時えいしんくんは1歳半。遠方に住む親せきから誕生日プレゼントをもらった際、「届いたよ。ありがとう!」とお礼を伝える手段として、受け取った様子をスマホで動画撮影し、近況報告も兼ねてYouTubeにアップしたのが始まりでした。

本格的に投稿するようになったのは、2012年頃。その頃は1週間に1~2本くらいの更新頻度。前原さんが一人でおもちゃ紹介の動画を撮影していたところ、ある日えいしんくんがパッと画面に入ってきたそう。そこから自然の流れで、えいしんくんも常に登場することに。「はい、こんにちは。まえちゃんねる前原です!」というオープニングの口上と、親子の息のあった掛け合いで進行するスタイルも、そのころ固まりました。


 

◆ブレイクのきっかけはこの動画

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スターウォーズのライトセーバーで寸劇をする二人

ユーチューバーとしてブレイクの手応えを感じたのは、開始から5年後の2015年。スターウォーズの寸劇だったそう。視聴回数なんと280万回超のこの動画は、凝ったコスプレのインパクトに加え、ライトセーバーの商品紹介が実に魅力的です。パッケージを開けるところから、剣の発光具合、打撃音など、細部までわかりやすく紹介されていて、スターウォーズをよく知らない私でさえ、つい買いたくなってしまう動画になっています。


「まえちゃんねる」で不動の視聴回数NO.1はコチラ。圧巻の350万回超です。

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きかんしゃトーマスの塗装工場のおもちゃ

 

ちなみに筆者のお気に入り動画はコチラ。

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えいしんくんがメインでおもちゃ紹介する企画。6歳にしてこのレヴュー!上手です

 

この動画は、メインMCが入れ替わる「まえちゃんねるスイッチ」という企画。パパに代わってえいしんくんがメインでおもちゃを紹介しています。ガチャガチャタイプの容器に飴をセットして、何色の飴が出てくるか実況しています。当時えいしんくんは、幼稚園の年長さんでしたが、レヴューは堂々としたもの。舌足らずなところもご愛嬌です。えいしんくんの成長ぶりを見られるのも、視聴者に受けているポイントなのでしょうね。

 

◆子どもの成長とともに「ネタ」も変化

プラレール → 仮面ライダー → 戦隊もの。最近では、カードゲーム/テレビゲーム、マインクラフト、ベイブレード…。

紹介するおもちゃは、えいしんくんの成長とともに変わっています。「ウケたからといって、同じおもちゃをずっと扱うことはしない」と前原さんは考えています。例えば、トーマス絡みのおもちゃは、今なお多くの視聴回数を稼いでいますが、「小学校に入る頃に、トーマスは卒業しちゃった」とえいしんくんはあっさりしています。

また、撮影にあたって、「台本やリハーサルはありません」と前原さん。初めてのおもちゃで遊ぶわくわく感を大切に、自然な流れで伝えているとのこと。

えいしんくんの年齢にあった、楽しく遊べるものを選ぶ。そして、リアルな反応をそのまま伝える。そのポリシーを守っているからこそ、視聴者の信頼を得ているのでしょう。

親子ユーチューバーまえちゃんねる

 

◆登録者にも入れ替わりが

えいしんくんの成長と、「ネタ」の変化で、「チャンネル登録者も変化があるのが特徴」と、前原さんは分析しています。プラレールを追いかける人は、今プラレールの新動画のないこのチャンネルから離れるでしょうし、逆にベイブレードに興味ある人は、新規登録してくる、というように。

登録者で最も多いのは、30~40歳代。まえちゃんねるの親子と同世代の小学生とその親御さんであることがうかがえますが、最近では10代も増えてきたとのこと。ベイブレードやカードゲーム、他のユーチューバーとのコラボ企画などでファン層が広がったかなと、喜んでいます。

 

◆驚異の「毎日更新」を続ける理由

親子ユーチューバーまえちゃんねる

 

「毎日ほぼ17時更新」を掲げている「まえちゃんねる」のお二人。仕事と学校という本業がありながら、この数年間、毎日新動画を公開できたのは、どのような工夫と理由があったのでしょうか。

撮影は、学校からえいしんくんが帰宅後、30分~1時間くらいで行い、その後、前原さんによる1~2時間程度の編集作業を経て投稿、毎日17時頃に新動画をアップしています。前原さんが会社勤めをしていた頃は、夜8時過ぎから撮影することもあったそう。
ネタ探しは、月3回発売されるおもちゃの新商品や、企業からのタイアップ依頼でほぼ決まり、意外にもネタ切れで困ったことはないとのこと。何を取り上げるか検討するのは、二人で入るお風呂タイムが定番だとか。

親子のほのぼのした掛け合いが売りだけに、二人の仲が険悪なときや気分が乗らないときは、撮影を中断して、気持ちが持ち直すのを待って再開することもあるそう。

仕事が忙しいとき、宿題が多いときも、ケンカしたときも、休むことなく新しい動画を作り続けた理由は、「影響力のあるチャンネルに育てて、YouTubeを仕事にすることを目標にしていたから」と前原さんは語ります。


◆父は専業ユーチューバーに転身

前原さんは、この5月、長年勤めた会社を辞め、まえちゃんねるに専念することにしました。「ここでトライしないと、一生後悔する。この子の顔も出しているので、生半可な覚悟ではいけない」と前原さん。チャンネル開設から7年、満を持しての脱サラです。

自分にしかできないことを、自分ならではの方法で発信してゆきたい、そう穏やかに語る前原さん。気になる今後の展開については、「ネタを練る時間ができたので、〈笑える動画〉を企画したり、スターウォーズのシリーズを増やしたり、動画にCGを加えるなど、技術面でのグレードアップにもチャレンジしていきたい。企業とのタイアップやメディアの取材も積極的に受けてゆきたい。」と意欲的に語ります。


◆息子の将来の夢は…!?

一方、「おもちゃ紹介は楽しいけど、動画の編集はしようと思わないんだ」と、小学3年生のえいしんくん。いまもっとも興味があるのは「昆虫」で、とりわけカブトムシとクワガタに夢中とのこと。なんでも、虫の形を見るだけで、マニアックな虫なのに名前を言い当てることができるほど、昆虫知識が豊富だそう。

今年の目標は、「全国の昆虫館を巡る」「カブトムシやクワガタを飼う」ということなので、今夏は、まえちゃんねるの動画に、あちこちの昆虫館やカブ・クワの姿が登場するかもしれませんね。そして、来年はまた違うモノに興味が移っているかも。

小学生男子の興味関心がどのように移り変わるのか、リアルタイムでつぶさに発信していただけるのも、視聴者としては楽しみです。

親子ユーチューバーまえちゃんねる

自由学習の宿題では、大好きなクワガタを調べたえいしんくん

 

 ◆これからユーチューバーを目指す人へ

親子ユーチューバーとして、経験と実績を重ね、クリエイターとして独立を果たした前原さんから、これからユーチューバーを目指す方にメッセージをいただきました。

「もしも、子どもの顔を出すなら、ある程度覚悟を決めること。定期的な更新をすること。あきらめないこと。」そして、「子どもをYouTubeに登場させる場合は、やはり親がきちんとコントロールして守ってあげることが重要。幸いまえちゃんねるは、これまで悪意のコメントや炎上といったトラブルはありませんでしたが、それは父親が一緒に出演することで、子どもを守れている部分があると思います」と前原さん。

えいしんくんからは、「とにかく頑張って、そして楽しんでほしいです」という力強いメッセージ。
 
好きなおもちゃを心から楽しみ、YouTubeを通じて多くの人にそのわくわく感を発信するお二人からは、表現することの面白さが伝わってきました。自分にしかできないことを作り上げ、多くの人を笑顔にすることができるって、素晴らしいことですね。

クリエイターとして進化し続ける「まえちゃんねる」のお二人に、今後も要注目です!

投稿者 promon