岩崎書店のブログ

ようこそ! ここは子どもと本のメディアです

もしかすると世界初!? 絵本をソムリエにテイスティングしてもらってきた

こんにちは「岩崎書店のブログ」管理人の大塚です。

岩崎書店では、日々、たくさんの絵本が作られています。

そのため、社員同士で絵本の感想を伝え合うことも多いのですが、
私の場合、「きれい」「面白い」「楽しい」といったありきたりな表現で終わってしまいます。

先日も『けもののにおいがしてきたぞ 』の感想を中々うまく伝えられずにいたのですが、編集担当は一切の淀みなく、この作品への愛情を語ってくれました。 

けもののにおいがしてきたぞ (えほんのぼうけん)

・ミロコさんは絵がすばらしいとよく言われますが、実は言葉の使い方もとても魅力的な作家さんなのです。すぐれた絵本作家は、絵がすごいのと同時にそれぞれ独特の言葉の使い方を持っておりまして、ミロコさんもまたその一人です。

・ヘビが通る様子を「みゃんみゃんみゃん」なんて、聞いたこともないけれど突き刺さる言葉を人生のうちに一度でも発することができたならば、どれだけ世界が豊かに感じられるでしょう、などと思ったりします。ましてや、それを連発できるなんて…。
それこそが、ミロコマチコさんの言語感覚の底知れぬ魅力と言えるでしょう。


……熱い、とっても熱い! 『けもののにおいがしてきたぞ』への溢れんばかりの愛情を感じました。私もありきたりな表現で終わらせるのではなく、心の中で感じていることを上手く言葉で表現したい。周りにいる編集者のように、絵本のことを、熱く熱く語りたーい! と、日々思っていました。


ソムリエが絵本を表現したら?

そんなある日、友人たちとワインを飲んでいました。
「このワイン飲みやすいよね〜」「渋いよね」「おいしい」
いつも通りのありきたりなフレーズが並んでいました。まるで私の絵本の感想のよう……と思っていたところ、ソムリエの方がやってきて、「森の下生え」「濡れた犬の香り」「火打ち石」など豊かな表現でワインを語ってくれたのです。

視覚、味覚、嗅覚といった「感覚的なものを豊かな言葉で表現する技術」に感動し、「ソムリエに絵本の感想を上手に伝える方法を教えてもらいたい」という気持ちが湧いてきました。

そこで、ソムリエに絵本をテイスティングしてもらおう!と思いついたのです。


いざ、ソムリエの元へ

「絵本をテイスティングしてもらいたい」
そんな想いでソムリエを探していたところ、ある方が快諾してくださいました。
このような無茶な企画を引き受けてくださった、心の広いソムリエールさんは……(※女性はソムリエールと呼ぶそうです)

杉山明日香さんです。

f:id:minokainomi:20170830124619j:plain

杉山明日香
東京生まれ 唐津育ち。理論物理学博士・ソムリエール。

ワインスクール「ASUKA L'ecole du Vin」主宰。
ワインバー&レストラン「西麻布ゴブリン」、パリの和食レストラン「ENYAA」をプロデュース。
著書に『受験のプロに教わる ソムリエ試験対策講座 』、『ワインの授業 フランス編』、『おいしいワインの選び方』、飯島奈美氏との共著に『ワインがおいしいフレンチごはん』など。

 

杉山さんは小さいころから、勉強を教えるのがお得意で、近所の子どもたちの家庭教師はもちろん、寺小屋の様なものを開いてらっしゃったそうです。その特技を活かして、学生時代より大手進学予備校で数学の教鞭をとり、現在はワインスクールの主宰もされています。幸運にも、とても良い先生に巡りあえた予感!

杉山さんに早速会いにいってきました。

続きを読む

プログラミング教育で学べるのはどんなこと?ロボット・プログラミングキット「KOOV」をためしてみた

昨今の小学校では、どんな宿題が出るかご存知ですか?昔はドリルやプリントなどが中心でしたが、最近は「家庭学習」なるものが幅を利かせています。子どもの自主性に任せて、その日の学習メニューを組み立ててノートに記録するというもの。しかしこれが結構な難関で、最初は子どもだけではどこから始めて進めていけばいいのか見当もつかず、結局、親子で取り組まないと仕上がらないという情けなさ。

なんとか子どもが自分で組み立てられる力をつけられないものかと悩んでいたところ、興味深いニュースを発見。

resemom.jp

 小学校での「プログラミング教育」が2020年から必修になったというニュースは、何となく知っていたけど、小学生にはまだ早いんじゃない?IT以前にもっと大事な知識や心を育てる学びがあるんじゃないの…?と疑問に感じていたので、早速調べてみました。

文部科学省がまとめた小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ):文部科学省によると、

プログラミング教育は、子どもたちにコンピュータに意図した処理を行うよう指示することができるということを体験させながら、将来どのような職業に就くとしても、時代を超えて普遍的に求められる力としての「プログラミング的思考」などを育むことであり、コーディングを覚えることが目的ではない。

とあります。

IT人材を育てる必要だけではないようですが、時代を超えて普遍的に求められる「プログラミング的思考」って何だろう?

そこで、子どものうちから自宅でプログラミングを遊びながら学べて、しかも創造力育成にも役立つとうわさの、ロボット・プログラミング学習キット「KOOV(クーブ)」を発売したソニー・グローバルエデュケーションにお話をうかがってみました。

 

「KOOV」で問題解決能力や創造力を身につけ、世界にはばたいてもらいたい

ソニー・グローバルエデュケーション 未来教育事業部

酒井 英佑さん

f:id:iwasakishoten:20171003123924j:plain

 

──小学生がプログラミングを学ぶのはまだ早いんじゃないかと思っていましたが、KOOVの対象年齢は8歳からなんですね。 

酒井 KOOVは小さいお子さんでも楽しめるように、アプリを見ながらブロックの組み立て方やプログラミングの方法を学べるようになっています。PCやiPadで専用アプリを使い、プログラミングしていくと、組み立てたブロックが動くというしくみです。クイズ形式でわかりやすく理解してもらいつつ、お子さんのペースで無理なくプログラミングを学べるよう、工夫しました。

 

──プログラミング的思考というのは、具体的にどんなことなのでしょうか。

酒井 プログラミング言語の本質は、「具体的に説明する」ことです。自分で組み立てたブロックをプログラミングで動かすには、正しい指令を与えなければなりません。指令を間違えれば正しく動きませんから、どこがどう失敗したかを検証する必要があります。つまり、正しい指令でプログラミングしさえすれば、自分の思い描いたように動かせるというわけです。

 

──正しい指令を与えればきちんと正しく動く。当たり前のようですが、難しそうですね。

酒井 最初は思い描いたとおりに動かなかったりします。じゃあなぜ動かないのか、どんな問題が起きているのか。原因を特定して正しい方向に直すにはどうしたらいいのかを考えつつ実行するというステップを踏むのですが、これが問題解決能力のステップとまったく同じなんです。

指令どおりに動かせればそれが成功体験となって、さらに次の指令を積み重ねていくことで、課題や問題を解決する力が自ずとついていきます。そして次の段階では、自分でプログラムも設計できるようになっていきますので、創造力を育むことにもつながります。KOOVでプログラミングを学んだお子さんたちに、ゆくゆくは世界にはばたいてもらいたいという願いも込めていますね。

 

──まずは地道にステップを踏んで問題解決力を身につけながら、創造力も養っていく、ということでしょうか。

 酒井 創造力は突然湧き出る才能ではなく、ある程度の枠の中から生まれてくるものだと思います。例えば、プログラミングのブロックを1つずつ組み立て、次に、組み立てたブロックを組み合わせたら、こんなこともできる、と突然思いつくとします。でもそのひらめきは、それまでに蓄積したプログラミングの知識や経験があって生まれたものなんですよね。

また、創造力を養うには、コミュニケーション能力も鍛える必要があると思います。プログラムを正しく動かすには、プログラムと対話しなければならないということもありますが、一人で作るよりも、複数の人とチームを組んで連携したほうが、よりよいものができるからです。KOOVでは、「じゆうせいさく」という、自分で作ったオリジナルの作品を公開して、他のユーザーからフィードバックをもらえる仕組みがありますので、一人で完結した勉強をするのではなく、色々な人とコミュニケーションを取ることで、様々な気づきを得て成長していってほしいですね。

 

──プログラミングを学ぶことで、同時に様々な能力が鍛えられていくのですね!とても興味深いので、子どもたちに挑戦してもらいたいと思います。

酒井 ありがとうございます。ぜひ試して感想を聞かせてください!

 

「KOOV」でプログラミングに挑戦!

というわけで早速、数字やパズルが好きなHくん(8歳)と、手作りものが得意なMちゃん(10歳)にチャレンジしてもらうことに。

 

f:id:iwasakishoten:20171003124149j:plain

KOOVのキットが届きました。ワクワク。

 

f:id:iwasakishoten:20171003124343j:plain

中身を取り出して並べてみたところ。

カラフルでスケルトンなブロックと普段あまり見ることのないパーツに期待が高まります!

 

まずはアプリでキャラクターを登録。

f:id:iwasakishoten:20171003142513j:plain

それぞれ、あいぼう(一緒に学習をコースを進めアプリの使い方を教えてくれる、心強い味方)や服も選んで…

 

f:id:iwasakishoten:20171003142553j:plain

レッツスタート!

 

f:id:iwasakishoten:20171003142809j:plain

スタータープログラム「はじめてのロボットプログラミング」。ステージごとに組み立てるものが難しくなっていくらしい。

 

f:id:iwasakishoten:20171003142851j:plain

最初に組み立てるのはワンタン、じゃなくてランタン。パーツの種類と数も間違えないように取り出して準備します。

 

f:id:iwasakishoten:20171003143018j:plain

ブロックの形や方向を間違えたら大変。図をしっかり見ながら組み立てます。

 

f:id:iwasakishoten:20171003124250j:plain

二人とも集中しています。Hくんは鼻歌まじりで、慎重派のMちゃんはひとつひとつじっくりと慎重に。

 

f:id:iwasakishoten:20171003143420j:plain

プログラミングの説明も丁寧。算数の不等号が出てきました。ちょっと難しい?

 

f:id:iwasakishoten:20171003143507j:plain

操作画面では「うごき」でLEDを「ON」して光らせたあと、「せいぎょ」で「2びょうまつ」、「くりかえす」などのプログラムをつくっていきます。

 

f:id:iwasakishoten:20171003124730j:plain

ふ~これで合ってる?くじけそう・・・

 

f:id:iwasakishoten:20171003124814j:plain

プログラムした通りにランタンが点滅してくれるか、ドキドキ。

 

f:id:iwasakishoten:20171003143614j:plain

ステージの途中途中でクイズが登場。プログラミングの基本中の基本、もちろん、わかるよね?

 

f:id:iwasakishoten:20171003152353j:plain

コツがわかってきました。慣れてくると、考えなくても即座に判断してぱっと選べるようになって楽しい!

 

f:id:iwasakishoten:20171003143711j:plain

カメラまで進み、ストロボが光って、シャッター音が鳴るという2つの動作のプログラムを完成させました。

 

f:id:iwasakishoten:20171003125012j:plain

カメラが完成!おつかれさまでした。

 

想像以上の吸収力に驚き

キットの箱を開けてからカメラの完成まで、おやつ休憩をはさんで何と4時間!さすがに集中力が途切れそうな瞬間もありましたが、途中で脱落することもなく、ゲーム感覚ですいすいプログラミングの第一ステージを習得してしまいました。まずは指令どおりに正しく組み立てるところから始まるけれど、進めるうちに様々な知識が増え、理解も深まって、オリジナルのプログラムを作れるようになりそう。それも、頭が柔らかく吸収力がある子どもの年代だからこそ、よりスピーディーに、より独創的に思考力を磨いていけそうな印象を受けました。

子どもってすごいなあ。家庭学習どころか、世界に羽ばたける日もそう遠くなさそう。頭の固くなった親御さんは、お子さんと一緒にプログラミングを学んでみてもいいかも?

 

www.koov.io

投稿者名:michelle

絵本のタブーをぶちやぶれ! 編集者・堀内日出登巳が語る「絵本という名の闘技場」その2

こんにちは、キタガワです。

前回、岩崎書店の編集者、堀内日出登巳による講義「絵本という名の闘技場」冒頭部分をお届けしました。

 

www.iwasakishoten.site

 

今回も講義の続きをレポートします。

名作絵本の魅力や、絵本づくりの現場ならではの裏話をお楽しみください。

 

シンプルではない、無限だ。

センパイ堀内 『やまのかいしゃ』スズキコージ・作/片山健・絵/架空社)の他にもう1冊、衝撃をうけた絵本を持ってきました。それが、長新太さんの『ちへいせんのみえるところ』(長新太・作/ビリケン出版)です。もし世の中に「絵本の教科書」というものがあるならば、ぼくはこれだと思います。

 

ちへいせんのみえるところ

 

センパイ堀内 ストーリーはありません。シンプルな言葉と絵で構成されています。でもぼくはシンプルではなく「無限だ」と思ったんです。

これが絵本として成立するのであれば、絵本の可能性というのは無限に広がっているんじゃないかと。

それでプロレスの本をやめて、絵本の編集者になりました。

 

絵本をとりまく世界が、総合格闘技に

センパイ堀内 今回、講義の名前を「絵本という名の闘技場」としたのには、2つの理由があります。ひとつは、絵本を取り巻く世界が「総合格闘技のようになっている」と感じたからです。総合格闘技をご存知でしょうか? パンチ、キック、寝技、なんでもありの格闘技です。

たとえばパンチのスペシャリスト、キックのスペシャリストが総合格闘技のリングでたたかうように、詩人、保育士、学者、評論家、ジャーナリスト、お笑い芸人、写真家、アニメーター、料理家……だれでも自分の得意とするものをひっさげて、絵本の世界でたたかうことができるようになりました。

あらゆることが絵本の入り口になります。絵本作家になるつもりはなかった人間が、ふとした瞬間、すっと絵本の世界に入ってくるのです。絵本の可能性、どんどん広がっていますよね。

もうひとつの理由は絵本をつくる人間がたたかっているものがあると思うからです。それは、世間です。絵本というと”清く正しく、可愛らしくて美しい世界”というイメージがあると思います。絵本の表現の幅は、もっと広くて、混沌としているのに

清く正しくももちろん大切ですが、ぼくは、絵本はどんな表現も成りたつ世界だと思います。

こんなにすごい絵本の世界をもっと知ってほしい、絵本=清らかなものだという印象を持っている世の中にむかって、たたかいを挑んでいかなければならない。

そういう気持ちで日々、絵本をつくっています。

 

では、どんな絵本で世間にたたかいを挑んでいるのか? 私が担当した絵本の紹介をしてみたいと思います。

 

f:id:kiix:20170913185508j:plainセンパイ堀内が担当した世間にたたかいを挑んでいる絵本のひとつ『はしるチンチン』(しりあがり寿・作・絵/岩崎書店)

 

続きを読む

明日はわが身?  子どものケガでお縄頂戴!?

脳神経外科医であり、作家として岩崎書店からベストセラー『雪のかえりみち』(2000年)と『まほうの夏』(2002年)を出された藤原一枝先生。2冊とも発売以来、版を重ねていますが、特に『雪のかえりみち』は平成13年度の児童福祉文化賞を受賞し、フランス・韓国・中国本土・台湾などで翻訳出版されています。

ところが米国では翻訳出版されていません。

そのわけとは、この2冊の絵本に描かれている、子どもだけで学校から帰るとか、兄弟だけで田舎の親戚に行くという物語が、米国ではネグレクト(育児放棄)という虐待の扱いになるからです。

小児脳神経外科医である藤原先生から、児童虐待に深く関わる頭のケガのこと、虐待を疑われる仕組みなどについて、ご寄稿いただきました。

 

雪のかえりみち (えほん・ハートランド)

雪のかえりみち (えほん・ハートランド)

 

雪のために学校が早く終わった日、一人で寒さや切なさに耐え、親切な大人に励まされながら帰宅した男の子の気持ちをあたたかく描く。

まほうの夏 (のびのび・えほん)

まほうの夏 (のびのび・えほん)

 

虫取り、海水浴、木登り、海つり! 夏休みにおかあさんのいなかに行った兄弟のまほうのような夏の思い出を描く。

 

 

f:id:iwasakishoten:20171005141546p:plain

子どもはいつケガをするか、わからない

子育てって、日々発見が多く、楽しくうれしい反面、日常的にハラハラドキドキの組み合わせですよね。事故と背中合わせで、「打ちどころが悪かったら」「タイミングが悪かったら」と冷や汗をかく体験は日常的です。

だれだって、交通事故や高所からの転落などは危ないと思いますが、家の中でちょっと転んだだけで、嘔吐したり、けいれんが起こったりするとは思っていません。

でも、そうなれば病院や医師が頼りですから、すぐ救急車を呼びます。

「すぐ行く」のが親の情でしょう。

吐いたり、けいれんが起きて、一番怖いのは頭の中になにか異変が生じていることですよね。

ですから、頭のCTを撮ってほしいと、だれもが願うでしょう。

 

CTはじっとしていれば5分もかからない検査で、どの病院にでも機器があり、保険も利き、高い検査ではありません。出血しているかどうか、すぐ分かります。

でも、放射線を浴びるので、特に小児にCT検査が必要かどうかについて、欧米ではきびしい基準を設けています。

 

最近の日本では、軽い症状の人には「検査をしても『何でもなかった』ということが多いということと、今後、現れるかもしれない放射線の害とを天秤にかけて、医者としてはお勧めしません」という説明をしてから、親に検査をするかどうか委ねています。

もちろん、検査で異常がなくても、医師は「数日は養生や観察が必要ですよ。何かあったら、すぐ来てください」と強調します。

ところで、あなたは、今まで児童虐待のニュースを目にしても、自分には関係ないと思っていませんでしたか? 

思いがけず、子どもの頭の事故が起こり、病院に行ったら医師から虐待の嫌疑をかけられることがあるなんて、信じられますか?

 

続きを読む

「なんでも魔女商会」の同窓会 10/31開催決定!その2 ~あんびるやすこさんからのメッセージ~

先日お知らせしました、ハロウィン当日のイベント

 オトナ女子におくる「なんでも魔女商会」の同窓会

 

オトナ女子の皆さまから、続々と応募メールが届いております!

 

応募締切(2017年10月15日)後に、当選された方にはご招待メールをお送りしますので、いましばらくお待ちくださいね。

 

さて、本日はなんと作者のあんびるやすこさんから、オトナ女子の読者のみなさまへのメッセージをいただきました。

 

☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…

大きな読者のみなさまへ

 

小学生の時に読んでくださった皆さん、お久しぶりですね。

お元気でしたか?

皆さんが、児童書から一般書へと飛び立って、もうどれくらいたつでしょう。

「なんでも魔女商会リフォーム支店」は、今でも変わらず営業を続けています。

 

今、みなさんはきっと、すてきな女性に成長されたことでしょう。

私も岩崎書店のみんなも、あなたのそんな眩しいばかりの姿を一目見たいと、このイベントを企画しました。

卒業した児童書の世界へ、ハロウィンの夜に戻って来ませんか?

これは、卒業生の皆さんへの「同窓会」のお誘いです。

 

小学生の頃に思っていたようには、人生は進んでいかないこと。

自分と人とは違うと気づき、孤独に感じること。

あんなに憧れていた恋が、実際には辛かったこと・・・・。

大人になったみなさんの心の中には、色々な葛藤の泡が毎日生まれ、浮き上がろうとしているかもしれませんね。

 

そんな悩みに効く意外な薬があるのをご存じですか?

その答えは「児童書」。

え?どうして?・・・・そう思いますよね。

そんなお話もいたしましょう。

人間以外の生き物なら誰でも知ってる魔法の老舗「なんでも魔女商会」の「お悩み相談支店」が、卒業生のお悩みをよろこんでお引き受けいたします。

(なお、この支店は一晩限りの営業ですので、ご了承を!)

 

皆さんにお会い出来るのを、楽しみにしています。

 

f:id:iwasakishoten:20170927103422j:plain

 

                         あんびるやすこ

☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…

 

 開催がますます楽しみになってきました ♪ ♪ ♪

なお、イベントの詳しい内容、応募方法はこちらの記事をご参照ください。

www.iwasakishoten.site

 

二次元のキャラクターもプラモデルをイメージしながらデザインしています〜ありがひとし先生の「ようかいとりものちょう」作画術〜

みなさんこんにちは! 「岩崎書店のブログ」管理人の大塚芙美恵です。

今回は、『ようかいとりものちょう』の最新刊『雷撃! 青龍洞妖海大戦・天怪篇参』が発売されたのを記念して、作画を担当されているありがひとし先生にお話を伺いました!

ありが先生は 、本の挿絵だけではなくゲームのキャラクターデザインや攻略本のイラスト、漫画やアニメの制作など、幅広い分野で活躍されています。

ご本人に「ご職業はなんといえばいいですか?」と伺ったところ、「絵を描く人」とおっしゃっていました!

今回のインタビューでは、『ようかいとりものちょう』の制作裏話はもちろん、

「絵描きさんになったきっかけは?」

「普段はどのように絵を描いているの?」

「どうすれば先生のように絵が上手くなれる?」

など、本以外の気になることも聞いてきました!

ようかいとりものちょう (7) 雷撃!  青龍洞妖海大戦・天怪篇参

ようかいとりものちょう (7) 雷撃! 青龍洞妖海大戦・天怪篇参

 

最新刊では、キャラクターデザインの参考に八景島シーパラダイスまで行ってこられたとのこと。「オタリア」というアシカをモデルにした新しいキャラクターも出てきますので、お楽しみに

 

「江戸時代にはない」ってダメ出しが入る?

── 本日は『ようかいとりものちょう』の作画についてや、ありが先生の小さい頃のお話しなど、お聞かせてください。よろしくお願いします。

ありがひとし先生(以下「あ」) よろしくお願いします。

ありがひとし ようかいとりものちょう

── 『ようかいとりものちょう』は、江戸時代の雰囲気が感じられる本ですよね。以前から江戸の絵は描かれていたんですか?

 いいえ、初めてなので、江戸時代に描かれた浮世絵や版画を見て研究しています。北斎漫画がとても砕けたタッチで描かれているのでそれを採り入れたり、様々な浮世絵、版画などを参考にしています。

色の判断はグラフィッカーである奥さんが手伝ってくれてまして、たまに私が奇抜な色を選ぶと「その色は江戸時代っぽくない」ってダメ出しが入ったりもします(笑)。昔ながらのことを今の子ども達に翻訳して見せるのが私の役目だと思っています。

── このページがすごいですよね。 

f:id:iwasakishoten:20170825122114j:plain

 そこは最初の巻の最初の妖怪お江戸なので、頑張って描きました。完全再現まではしてないのですが、日本画や版画のビューの多くは、45度上空から見てるものが多いので、そういう空気は感じさせたいなあ、と。
あと、気に入っているところは1巻のコマとコマの間を雲にしているところです。

ようかいとりものちょう ありがひとし

石川編集担当(以下「石」) こういうコマ割り、もっと描いてほしいです。別次元の世界を雲形のコマで割ったり、木の幹の輪郭の向こうがそのまま白地になったりと、新しい表現がいくつも見られます。

ようかいとりものちょう ありがひとし 

 毎巻実験しているので、描いていて面白いんですよ。

 ありが先生は、いつもルーティンに陥らずに新しい表現に挑戦されますよね。一巻のイラストの、戦後間もない頃の絵物語のような雰囲気を現代風にアレンジしているのもとても好きです。

 あとは、和のイメージを持ってもらうよう、初期はコン七の服などに和紙テクスチャーを使用して情感を出していました。また、一巻表紙のコン七は歌舞伎っぽく手をぱって広げ逆三白眼になるように描いたり、あとは表紙の絵の後ろには歌舞伎の垂れ幕風のデザインを入れてもらったり、随所に和の雰囲気を醸し出すように考えています。

ようかいとりものちょう ありがひとし 

ようかいとりものちょう ありがひとし

続きを読む

カレーライスをはじめて食べた日本人は、江戸時代にすでにいた?

こんにちは、キタガワです。

岩崎書店より、調べる学習百科『カレーの教科書』が刊行されました。

  

調べる学習百科 カレーの教科書

 

ページをめくっているとこんな言葉が目にとびこんできました。

「もし、江戸時代にカレーがあったら」

f:id:kiix:20170825153000j:plain『カレーの教科書』江戸時代カレーのレシピもばっちり載っています。どんな味がするのでしょう。

 

江戸時代に、カレーを食べていた日本人がいたのでしょうか……?

 

興味がわいたので、『カレーの教科書』を編集された石倉ヒロユキ先生にお話をうかがいました。

 

f:id:kiix:20170825190535j:plain

石倉ヒロユキ

アートディレクターとして、食関連の書籍を多く制作。エッセイストで絵本作家。料理、園芸など手の届く場所で、小さな生活の楽しみを日々作り出す名人。著書として、『ほぼ1円の家』、『ベランダ菜園』(以上、NHK出版)など多数。

 

カレーライスをはじめて食べた日本人は誰?

キタガワ 石倉先生、よろしくお願いします。さっそくですが、江戸時代に、カレーを食べていた日本人がいたのでしょうか?

 

石倉 明治4年に山川健次郎という少年がアメリカへ渡る船の中でカレーライスを食べて、びっくりしたという記録があります。

 

キタガワ 江戸時代ではなくて、明治時代?

 

石倉 定説では明治時代です。ただ、厳密にいえば「記録が残っている一番古いもの」ということで、日本人の誰がはじめにカレーライスを食べたのか、本当のところは分からないですよね。

 

f:id:kiix:20170825154200j:plainイラストの山川青年が泣いているのは、カレーが口に合わなかったから?

 

キタガワ 石倉先生は、日本にカレーが入ってきたのはいつ頃だと思いますか?

 

石倉  カレーの定義はあいまいなのですが、ここではスパイスを使って野菜などを煮込んだものをカレーとします。すると、日本でカレーが作られた可能性が高いのは、16世紀ごろポルトガル人が交易で定期的に訪れていた時代ではないでしょうか。

 

キタガワ カレーはインドの食べものですよね。ポルトガル人ですか?

 

石倉 ポルトガル船では、インド人や東南アジア人が水夫やキッチンボーイとして働いてたんです。彼らの郷土料理を、ポルトガル人も食べていたと思いませんか? ポルトガルから日本へは、およそ1年の航海になります。その間、植民地を経由して、何かを下ろして何かを積んでを繰り返します。船員たちの食材としてスパイスがたくさん積まれていたことは、容易に想像できますよね。 

 

キタガワ なるほど。ポルトガル船で働くインド人がカレーを作ったかも。それをポルトガル人が食べたかも。ポルトガル人が日本人にも振舞ったかも。色々なストーリーが見えてきますね。

 

石倉 信長の時代(16世紀)には自由に外国と貿易をしていました。黒人が一緒に江戸まで上がってきたという記録もたくさん残っています。食文化がいっしょに入ってくることも十分考えられるわけです。

 

 

続きを読む