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岩崎書店のブログ

ようこそ! ここは子どもと本のメディアです

可愛すぎる絵本作家・五島夕夏さんに選んでもらった「大人でも面白い絵本」5+1冊

こんにちは!

「岩崎書店のブログ」管理人の大塚芙美恵です!

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私は、最近になって岩崎書店さんのお仕事を始めました。

ですので、実はそれほど絵本に詳しくありません……。

「これはいけない!」と思い、慌てて勉強し始めたのですが、

そんなとき、困ったのが「何を読めばいいのか問題」。

絵本は、子どもの頃に読んだきりで、私や私の周りの情報は古くて参考にならない……

なので、慌ててインターネットで猛調査。

検索すると、私の他にも「何を読めばいいのか問題」でお悩みの方って、

けっこういらっしゃるみたいですね。

レビューサイトやお薦めランキングの記事が、たくさん見つかりました。

ただ、私が知りたかったのは、

私のような大人でも「面白い」と思える絵本。

というのも、これは何事もそうだと思うのですが、

「好きなもの」って一生懸命になれますよね。

なので、まずは好きな絵本を見つけてから、勉強を始めたいなと思ったのです。

(わがままですみません)

 

ただ、そうなるとなかなか情報も少なく……

と! そんなところに救いの手が。

実は、岩崎書店さんで今度絵本を出された絵本作家の五島夕夏さん、

ご自身が大の「絵本オタク」らしく、

私の悩みにもズバズバと答えてくれるかも、との情報が!

そこで、早速図々しくもご本人にお話を伺ってきました!

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やってきたのは、なんと引っ越されたばかりの五島さんのご新居!

うら若き乙女の一人暮らし部屋に侵入とあって、

女でありながらもドキドキする私……。

 

出迎えてくださった五島夕夏さんは、噂に違わぬ絵本オタクでした。

勉強不足の私にもその奥深さが伝わる絵本を5冊、選んでいただきました。

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しかも、関係ないですけど五島さんはお顔が可愛すぎる!

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おかげで、今回は興奮して写真も多めに撮ってきました!

というわけで、早速ご紹介しましょう!

 

「大人でも面白い絵本」その1

五島「まずは、『大人でも面白いという絵本』ということで、『かいじゅうたちのいるところ』を選んでみました」 

かいじゅうたちのいるところ

かいじゅうたちのいるところ

  • 作者: モーリス・センダック,じんぐうてるお,Maurice Sendak
  • 出版社/メーカー: 冨山房
  • 発売日: 1975/12/05
  • メディア: ハードカバー
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大塚「これはどうしてお薦めなんですか?」

五島「はい。あ、その前に一つ、いいですか?」

大塚「はい?」

五島「実は私、絵本て、やっぱり子どものものだと思っているんです」

大塚「え?」

五島「絵本は、子どもが読んで面白いのが、やっぱり前提だと思うんですよね。ですので、大人の方が読む場合は、子どもの気持ちに戻れた、とか、子どもの気持ちを思い出した、とか、そういう面白がり方になるかと思うんです」

大塚「ふむふむ、なるほど」

五島「そういう絵本でもいいですか?」

大塚「え、あ、もちろんです!」

五島「では、最初の『かいじゅうたちのいるところ』。これは、映画にもなったりして、とても有名な作品ですね」

大塚「確かに! 私も、タイトルだけは知っていました」

五島「この本の魅力は、まずは絵が美しいところ。特に怪獣を、とても生々しく描いています」

大塚「確かに、すごい迫力ですよね」

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五島「これを初めて読んだ小さいお子さんは、もしかしたら怪獣のイメージが一生『かいじゅうたちのいるところ』に染まってしまうかもというくらい、インパクトのある1冊です」

大塚「ふむふむ。確かに、ちょっと怖いくらいの絵ですよね」

五島「そうなんです! 実は『怖い絵本』て、すっごく需要があるんですよね」

大塚「あ、そういわれると確かに。岩崎書店の怪談絵本シリーズも、けっこう人気らしいです」

五島「それは、子どもにとって『怖い』という感情が、とてもだいじなものだからだと思うんです」

大塚「『怖い』がだいじなんですか?」

五島「はい。子どもの頃の恐怖って、すごくあやふやで、自分でも正体不明のところがありましたよね」

大塚「そういえば、訳もなく怖がる、ということもありました」

五島「それが逆に、豊かな想像力や、敏感感性を育てるんじゃないかと」

大塚「ふむふむ」

五島「でも、大人になると、そういう『怖さ』って忘れてしまいますよね」

大塚「確かに」

五島「だから、それを思い出すという意味でも、選びました」


「大人でも面白い絵本」その2

五島「続いてはこちら、『とうさんおはなしして』」

とうさん おはなしして (ミセスこどもの本)

とうさん おはなしして (ミセスこどもの本)

 

大塚「これはどういう作品ですか?」

五島「作者のアーノルド・ローベルさんは、日本でも『ふたりはともだち』など、いくつも翻訳されている有名な絵本作家さんです」

大塚「へえ!」

五島「でもこの作品は、ローベルさんの中ではそんなに有名じゃないかも」

大塚「どうしてそれを?」

五島「これは、絵本には珍しく7つの短編集になってて、7匹の子どもたちに一つずつお話ししてあげようっていう設定になっているんです」

大塚「なるほど、『読み聞かせ』がテーマなんですね」

五島「ええ。だから大人の方には、自分が読む立場になって読んでもらえるので、いいかなと。あとちょっとネタバレかもしれませんが、お話しが7つ終わった頃には、7匹の子どもが全員が寝てしまっているという」

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大塚「寝ちゃうんですか?」

五島「ええ。でも、寝ると『つまらなかったのかな』ってネガティブにとらえる人もいますけど、そもそも『おとぎ話』という言葉もあるように、童話には寝床でお母さんに読んでもらうという習慣が昔からあるんですよね」

大塚「確かに。大人になっても、本を読みながら眠るのって気持ちいいですもんね」

五島「その意味でも、大人の人が読んでも面白いかなって」

 

「大人でも面白い絵本」その3

五島「3冊目は、『きりのなかのサーカス』です」

きりのなかのサーカス

きりのなかのサーカス

 

大塚「これはどういう作品ですか?」

五島「作者がブルーノ・ムナーリさんといって、デザイナーとしても活躍されている方です」

大塚「へえ! 確かに装丁がおしゃれ」

五島「だから絵本らしくない絵本というか、かなりアーティスティックな作品ですね。中身も、こういう風にトレーシングペーパーを使ったりとか」

大塚「ほんとだ! これ自体が一つのアート作品ともなっているんですね」

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五島「でも、難しいところは全然なくて、子どもでも楽しめる遊び心が満載なんです。『ばっ』と色が明るくなったなぁと思ったら、くり抜いてあるページがあったりとか」

大塚「ほんとだ!」

五島「ただこれ、製本するのにお金がかかっているみたいで、2,300円とちょっと高めなんです。けど、いわゆる『普通の絵本じゃないのないのが読みたい』って方には、すごくお薦めです」

 

「大人でも面白い絵本」その4

五島「4冊目は、荒井良二さんの『こどもる』という作品」

こどもる

こどもる

 

大塚「面白いタイトルですね!」

五島「これは、もちろん子供が読んでもきれいだしかわいいし、楽しめると思うんですけど、かつて子供だった人たちにこそ読んでほしいなと思います」

大塚「まさに私にぴったり! どうしてですか?」

五島「実は、私もこれを大人になってから読んだんですけど、母と一緒に読んだんですね。そうしたら、子育て経験のある母には、『すごく分かる』という作品だったらしいんです」

大塚「へえ!」

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五島「私はまだ子どもがいないから分からない部分もあるんですけど、でも、母のそういう感想が、私もなんだか嬉しくって」

大塚「なんか、分かります」

五島「だから、子どものための絵本でありつつ、一緒に読んでる大人もうふふって笑えるような、そんな1冊かなと思います」

大塚「今回の企画にぴったりですね!」

 

「大人でも面白い絵本」その5

五島「最後が、『くまとやまねこ』です」

くまとやまねこ

くまとやまねこ

 

大塚「なんか独特の、雰囲気のある表紙ですね」

五島「これも、私が大人になってから読んだんですけど、久しぶりにこれでもかっていうくらいに泣きました」

大塚「泣かれたんですか?」

五島「最初は、おっしゃるようにこの表紙に惹かれて読んだんですけど、内容が出だしから、親友だった小鳥を亡くした熊、というちょっとヘビーな設定なんです」

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大塚「ほほう」

五島「その先の詳しい内容は、ぜひみなさんに読んでいただきたいのですが、ここでお伝えしたいのは、その絵の素晴らしさなんですよね」

大塚「どういう絵ですか?」

五島「こういうふうに、基本モノクロで構成されているんですけど、ところどころピンクが使われていて、それがとても引き立つんです」

大塚「ほんとですね! とても印象的です」

五島「そして、これが単なる絵としての面白さだけではなく、内容ともリンクしているんです。それに気づいた瞬間、『うわ、すごい!』って思って」

大塚「なるほど」

五島「もし私が子どもだったら、きっと『内容』の素晴らしさに目が集中していたのでしょうけど、大人になると、そういう『表現』の素晴らしさを見つけるっていう楽しみ方もあるかなって」

 

「おまけの1冊」

五島「以上が、私がお薦めする5冊です」

大塚「ありがとうございました! ぜひ、全部読んでみます」

五島「そうしていただけると私も嬉しいです」

大塚「あ、それと……」

五島「はい?」

大塚「五島さん、今度絵本を出されたんですよね?」

五島「え? あ、はい、そうなんです! ただ……これは大人向けというよりは、むしろ赤ちゃん向けの本なんですが……」

大塚「でも、せっかくなのでご紹介いただけますか?」

五島「はい。もちろん! タイトルは『よんでみよう』というのですが、5匹の動物たちが出てきます。彼らは最初、背中を向けているので、赤ちゃんがお母さんと一緒に名前を呼びかける、という内容ですね」

よんでみよう

よんでみよう

 

大塚「あ、『呼びかける』から『よんでみよう』なんですね。『読んでみよう』かと思いました(笑)」

五島「もちろん、読んでいただけたら嬉しいです!」

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というわけで、五島さんに「大人でも面白い絵本5+1冊」をご紹介していただきました。

読んだ感想は、またここでご報告できたらと思います。

 

それから、五島さんからお知らせです。

『よんでみよう』の出版を記念して、

東京渋谷の青山ブックセンター本店でトークショーと原画展が

3月21日に開催されることになったそうです!

五島さんは、絵本が魅力的で、お顔も可愛いのはもちろんですが、

お話がとっても面白い!

ですので、トークショーはきっと、

絵本オタクならではのさまざまなお話が聞けるかも?

みなさま、ぜひお越しください!

詳細はこちらです!

www.aoyamabc.jp

以上、大塚がお伝えいたしました。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

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